ぼく が ゆび を ぱちんと なら し て きみ が おとな に なる まえ の 詩集 - ぼくがゆびをぱちんとならして、きみがおとなになるまえの詩集の通販/斉藤倫/高野文子

そしてそれ以上に、だんだんとほどけていく、ぼくときみの関係性。

看護師学校在学中に、同人誌へ漫画の発表を始める。

そのやりとりのなかで、詩の読み方、味わい方、 詩という表現の豊かさが伝わってくる。

そんなことを考えさせられる。

大人にこそ、は大人の思いあがりですね。

きみはいつものように、あけっぱなしの玄関から、どんどんぼくの部屋にあがりこみ、ランドセルをおろしながらこういった。

「言葉」だって、相手が言いたいことと、自分が理解したこととはちがうことがままあるじゃないですか。

だからときに、理解するのが難しかったり、わけもなく涙が出ることがあるのでしょうか。

私も幼少期にこんな本に出会いたかった。

新しい世界の扉を開いてもらえる１冊。

ぼくは一冊の詩集をきみに手渡す。

二人は食べたり飲んだりしながら、言葉のことを考え、そして詩を読む。

ひゆは、ことばのいちばんだいじなぶぶんで、詩のいちばんだいじなぶぶん。

（しかもストーリーが垣間見える隙間具合が絶妙で秀逸） 言葉にならない気持ちが、詩になって、 でも、その言葉にならない気持ちの詩は、言葉でできていて、 言葉にならないのに、言葉でできてるの？って思うけどそれは正しくは、 言葉にしようとした、あと、なんだ。

「詩って、なんだろう？」という問いに こうなふうに提示してくれる本があることが。

だから、「まあこんなもんかな」みたいな、とぼしい想像力で読んでいる。