そして出家した大君と清らな仲を続けようと思うが、唐后の異母妹である吉野の姫君を引き取って苦悩するうち、姫君は好色な式部宮に誘拐 ゆうかい され妊娠した。
場面が日本と唐にまたがったり、夢のお告げによる転生を繰り返すなど実に新奇な筋立てです。
272• 402-406• 」などと言うと、 「本当に何事も理想どおりで素晴らしい物語なのですが、それにつけても、これさえなければと思われる場面もございます。
『源氏物語』の「桐壺」「宇治十帖」の影響が大きいといわれている『浜松中納言物語』ですが、それは人物配置・部分的構想・叙述描写におけるものだけで、実際には悲劇的結末を回避し、纏綿たる情緒世界の密度などの面ではかえって『源氏物語』を凌駕しようと試みた物語を狙ったのではないかと思われるのです。
を激しく傷つけられた透は、本多から清顕の夢日記を借りて読んだ後、12月28日に夢日記を焼いてを図り、未遂に終わったもののしてしまう。
奥野は「三島由紀夫の文学の華やかで激しい三十年は、同じ空夢の幻影から空夢の幻影への夢のまた夢というであったのであろうか。
やがて『』では ・清顕の友本多繁邦が、三輪神社の剣道試合で飯沼勲を見出す。
こなたに召し入れらる。
新装版『天人五衰(豊饒の海〈四〉)』(新潮社、1990年9月10日)• ところがどこからか計画は漏れ、勲たちは実行前に逮捕されてしまう。
イミダス 2017 0• 照明:、。
主題・作品意義 [ ] 最終巻の執筆が概ね出来上がっていた1970年(昭和45年)9月の時点で三島は、第三巻以降への流れについて、の人間が〈これが極致だ〉と思考したことが、第三巻で〈、空〉の方へ溶け込まされるとし 、その〈残念無念〉の感覚を設定するには、第一巻と第二巻を戦前に設定させて、第三巻で一度〈空〉が生じ、〈それからあとはもう全部、現実世界というのはヒビが入ってしまう〉流れとなり、それがは違うが、〈現実世界の崩壊〉を〈世界の空白〉のとなると語っている。
滝の下で本多と会う。
筑紫でを迎えたの大弐の娘は、どことなく気の毒でいじらしいお方です。
受容 [ ] この物語は、以下のように末期から初期ころまでの、『』、『』(物語二百番歌合)、『』、『』などといった文献においてしばしば取り上げられている。
本多繁邦(76 - 81歳) 妻に先立たれ、慶子と行った旅先で、転生者らしき透を見つけにする。
のち「浜松中納言物語散逸首巻の梗概」『源氏物語回廊』笠間書院、2010年(平成22年)1月、pp. 図書館蔵狩野文庫旧蔵本(狩)• 畢生の大作といわれた『豊饒の海』については、以前記事にしました。
平安後期の物語。
ここより現存巻一が始まり、渡唐した中納言は唐土の皇子に対面するが、その母であり、父を日本人にもつ河陽県の后(きさき)とひそかな間柄となり、悶々(もんもん)のうちに、唐后が生んだ男子を連れて帰国した。
「夢と人生」(『日本古典文学大系77 篁物語・・』月報 、1964年5月)。
脚色:。
ある時、三の皇子からのお手紙がありました。
あらすじ [ ] 時代は1932年(昭和7年)5月から1933年(昭和8年)年末まで。
池田利夫は脱落部分が全く異なる甲類本と乙類本とに大きく分け、松尾聡によるA類系統本を甲類本・B類系統本からF類系統本までを乙類本とした。
池田亀鑑「浜松中納言物語」『岩波講座日本文学 2 日本文学書目解説(二) 平安時代(上)』 岩波書店、1932年(昭和7年)1月、pp. 皇子は中納言の君をお呼びなされたのです。